終活 ひきこもりの息子を自立させるまでは死ねない

デジカメの編集画面にいつも笑顔の息子が現れる。「がんばれよ!」と小さく声に出してみる。

アルコール依存症・閉鎖病棟からの手紙ー3ー

「腸の検査」もうひと踏ん張り

患者に散髪屋がいます。今日、頭の毛を刈ってもらいました。緑のたぬき(インスタントラーメン)1個が代金です。28年間髪の毛を触っていた職人の腕はたいしたものです。男前がまた上がりました。すぐふろに入り、頭を洗い、気分はさわやかです。

今まで手で洗っていた洗濯物を初めて機械を使ってやってみました。洗濯機に汚れ物を入れて、洗剤を振り掛け、ふたをします。百円玉を放り込むと、後は自動で楽です。30分もすると絞れてあります。

腸の検査が決まりました。2月18日(火)です。前日より処置をします。食事を替え、薬を飲んで強制的に下痢をさせるそうです。看護士から「部屋変わるか」と聞かれましたが、検査の後まで延ばしてもらいました。

今日で11日目、もうひと踏ん張りです。精神安定剤は飲まないようにして、今は肝臓を治すことに専念しています。あのE氏が特別室に移りました。いよいよおいちゃんも5号のNO2です。古手ですので朝から掃除があります。お茶入れや動けない者の世話と忙しさは人一倍です。

たばこをやめているので間がもちません。口寂しく、なぜかアメにばかり頼っています。セーブしているつもりでも、1袋はアッという間です。おかげで気分はイライラもなく、まあ快適です。ご安心を。

昔よくなめていたアメで「チャイナマーブル」を探してください。丸いビー玉くらいの大きさのアメです。西成からきたという同室の者に3個もらいました。懐かしかったのでいっぺんになめてしまいました。

袋はほかしてしまったので、記憶ははっきりしません。確か隅っこに春日井製菓?と書いてあったと思います。愛知県の春日井市にあるメーカーかもしれません。

このアメは、おいちゃんの小さいころ、中が色の層になっていて、歯でかんで半分に割ると、きれいでした。今は、中まで1色です。白とダイダイ色が袋に入っています。どうしてもというつもりはありませんが、よろしくお願いします。

(この記事はブログの原点になるアルコール依存症からの回復日記である。
昭和61年(1986年)、アルコールの専門病院に入院したわたしが妻に向けて毎日書き綴った手紙で、病院の玄関にある郵便ポストに切手を貼って退院の日まで投函し続けた。)