終活 ひきこもりの息子を自立させるまでは死ねない

デジカメの編集画面にいつも笑顔の息子が現れる。「がんばれよ!」と小さく声に出してみる。

アルコール依存症・閉鎖病棟からの手紙ー7ー


「下痢」 注腸検査で1日空腹を我慢

注腸検査の日。ついに5号室(観察部屋、看護士詰所の横)の古手NO1になってしまいました。散髪屋のにい ちゃんが引っ越して行きました。

腸の検査などなかったら、おいち ゃんもとっくの昔に越せていて、一階級特進の栄誉を担えていると ころなんですが。2週間も5号に居ると、なんとなく住めば都です 。比較的楽な入院生活を過ごさせてもらっています。  

朝、7:00より予定どおりの検査に入りました。検査食は、ね とっとしたおかゆがワンに半分と、ふの浮いたみそ汁少々です。  

am10:00に錠剤を2錠服用。腹痛はありません。暇を見 つけてハイソックスとグリーンのYシャツ、パンツを洗濯しました 。昼食はべちゃべちゃのおかゆとまたみそ汁です。お腹をさすりながらの「腹が減って、減って」が口癖になっています。  

300円の落とし紙を2袋売店で買いました。夜の下痢に備えてなどと、自分でもアホみたいに神経過敏になっています。あの下腹を 絞るような痛さと、5分おきの便意を考えるとやはり心配です。迷 った末に2袋買いました。  

pm12:30、今のところ便意の兆候をま何もありません。少 し元気なのでyaに手紙を書いて、この便りを記しています。皆は グラウンドのヘソフトボールの見学に行っています。眠っている者 3人を除けば、この部屋で起きているのはおいちゃんと、78歳 のおじいさんの2人だけです。久しぶりの静寂が訪れています。

考えてみれば、あの散髪屋のちびさんが、朝から晩までピーチクパーチクと1人でうるさかっただけで、この静かさが、重患病室5号の本来 の静けさのような気がします。窓の外のスズメの鳴き声もしばらく ぶりで聞くようで心が和みます。  

交通費のことですが、病院前から岸和田駅までバス代が170円 、岸和田から難波まで南海で370円、難波からY八木まで近 鉄特急で770円。合計1310円也。往復すると2620 円かかる勘定になります。  

毎週帰るのは少ししんどいかなぁという感じです。元気になって 、3月になってと仮定が2つも付くのですが、外泊は毎週きちっと 請求したいともくろんでいます。もちろん規定の入院1か月後の話 で、だいぶ先のことではありますが。毎週土曜日のKの断酒会出 席という名目で家に帰りたいと思うのです。どうでしょう、Keiち ゃん。  

Pm3:30、ふろへ入り、いま戻ってきました。薬を2錠、 KGS40を飲みます。腹は全くグルグルなど鳴ってきません。今 晩、激しい下痢に襲われるのでしょうか。ひょっとしたら夜はトイ レ通いで眠れないかもしれません。腹は減り過ぎですし、下痢は思 ったほどでないので余計に食欲が高じています。  

両面テープ届きました。士長さんは、封筒を無造作に破るので困 ります。せっかくのキレイな切手がだいなしです。  

Pm7:45、う○こはうんともすんとも音さたなしです。血圧が90~140に下がりました。今日はあまりしんどくあり ません。腹が減ってしかたがないのです。これで下痢がなかったら 1日腹を空かして何をしていたのでしょう。黒あめでもいいから一つ なめたいです。  

Pm8:00に入れた座薬の効果です。8:50にやっと初め ての便がありました。水薬、マグコロール250ml(堀井薬品工 業株)東区淡路町2‐37‐2。この水薬で便が水のようになって 出てくるのでしょう。下腹が渋ります。乞う!ご期待?です。

(つづきはなるべく早く書き込みます)

(この記事はブログの原点になるアルコール依存症からの回復日記である。
昭和61年(1986年)、アルコールの専門病院に入院したわたしが妻に向けて毎日書き綴った手紙で、病院の玄関にある郵便ポストに切手を貼って退院の日まで投函し続けた。)