アルコール専門病棟 入院の味
息子が買い物依頼してきた中に東洋水産の"緑のたぬき"が3個含まれていた。
届けたときあまり会話する時間がなくて聞けなかった。今度会ったら"緑のたぬき"どこがそんなに好きなのか詳しく聞いてみようと思う。
偶然だろうが現在ブログにアップしている"手紙"の記事に"緑のたぬき大好き"が度々登場する。
専門病棟は夜は完全閉鎖になる。部屋ではもちろんコンロなど使えない。唯一お湯が沸いているのは談話室のストーブ上の夜間だけである。
入院患者の皆の好物はラーメンである。火が無いので煮て作る札幌ラーメンなどは使えない。
湯を注ぐだけで出来上がるチキンラーメンやカップラーメンが主になる。
中でも"緑のたぬき"は人気だった。わたしは世間に疎(うと)いあかんたれ社会人で入院してからいちばん最初に作った カップラーメンの手順を知らなかった。
ふたをめくりそのままお湯を支持線まで入れていた。3分後にフタを取ってみると出汁の入った小袋が汁の中に浮いている。
(自動洗濯機を操作するのも初めてだった)
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昼間 病棟を出た中庭にある売店にいろんなものを買い出しに行く。その中に必ず"緑のたぬき"が含まれていた。
院内で親しくなった者たちにラーメン外交を展開する。お近づきの印に"緑のたぬき"を1個手渡すのである。
同室の患者に散髪屋が居てちょっと髪をいじってもらったお礼に"緑のたぬき"を1個渡す。
酒を断って30年以上たったいまでも、スーパーなどで棚に"緑のたぬき"が並べてあると思わず1個2個かごに入れてしまう。