終活 ひきこもりの息子を自立させるまでは死ねない

デジカメの編集画面にいつも笑顔の息子が現れる。「がんばれよ!」と小さく声に出してみる。

自我をゼロにして話だけを聞き続ける

今朝久しぶりで3人で会話することが出来た。

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と言っても妻はしゃべることが出来ないので主に聞き役であるが、わたしに文句や苦情があるときは息子の通訳をとおして働きかけてくる。

息子の通訳?長年母子2人で密着して暮らしていると(妻の手術から7年も経過すると)口唇の動きで大体何を言っているのか分かるらしい。息子が読み解いて妻の言っていることをわたしに声で伝えてくる。

今日は月曜日の燃えるごみ出しの日でわたしは午前6時という時間を約束してDビルに車を走らせる。

実はビル玄関を解錠するカギを持っていなのである。先週の便利屋仕事で庭手入れに行った先で紛失してしまった。

作業終了後に切り取った枝などを車に積み込もうとキー束(約10本をリングでつなげてある)を入れたズボンのポケットを探るがなかった。

その朝はお客様の近くの川沿いに車を駐車した。降りる時にキーを落としたのかなと思って座席の周りを点検するが見つからない。

刺しっぱなしで取り忘れたカギを盗まれた可能性もある。その後いろいろと手配したがけっきょくカギ束は出てこなかった。(束の中にDビルのカギもある)

妻に紛失をなじられる。神経質な息子がそういう事態をいちばん嫌がる。そのカギを手にした者がいつかこっそり入り込まないともかぎらない。内緒にしろと言い張ってスペアキー作製も許可してもらっていない。

だからDビルを訪ねるときは"密かに"(息子にカギ紛失を知られないように)訪問時間をメールで打ち合わせビル玄関に立つわけである。

部屋番号を押し「呼」のボタンを押す。部屋では解錠ボタンの前で妻が待っている。ピンポーンが知れると息子が「お父さんカギは?」となりかねないからこっそりと隠れた行動になる。

今朝は朝が早かったので息子は自室で転がってたようでうまい事いった。

玄関には妻が出ていた。1週間分の燃えるごみ袋6つと段ボールを大小20箱ほどを片づける。

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息子がダイニングに出て来て玄関に納品された大きな鏡を開梱して部屋まで運んでほしいという。横90センチ縦180センチ重さ推定20キロの巨大鏡である。

手袋をはめた息子と2人で"これが便利屋のお客先なら"と考えながら鏡を運ぶ。

終わると妻が肩を揉んでくれという。首の管(カニューレ)周りの出血が増えて良く眠れないらしい。一定方向を向いて横になっているから肩がコチコチに凝っている。

15分ほどでOK、ありがとうの合図が出た。

15分間、わたしは妻の肩を揉みながら立って自室から顔を出す息子に昨日ガレージで出会った瓦屋さんの話をする。

わたしが借りているガレージの隣が8月に空いた。その後を借りたのが昨日初めて会ったアラフォーのいかつい体躯の瓦屋さんである。

「景気はどうですか?」と尋ねると来年の春まで予定がいっぱい詰まっているらしい。

いまは地震と台風で傷んだ大阪の屋根を直して回っているという。

朝6時に家を出て帰りは夜の11時、車の移動時間が2時間半ほどになると顔をしかめていた。東日本大震災のとき福島にも屋根を直しに行ったらしい。地震の熊本にも相当日数出張したようである。

息子と話し合った。「これやったら通勤地獄のサラリーマンと変らんなぁ、時間も拘束されるし自分の時間がまるでない。それに比べたら今のyaの方がなんぼかマシ、天国やなぁ」

午前6時から7時半まで穏やかな時間が過ぎていった。

 

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