息子と妖怪ウオッチ会話 その2
(大和三山の一つ耳成山・みみなしやま)
昨夜、Dビルに洗濯物を届けたとき、ビル前の食品スーパーで買い物を頼まれる。
メモに書いてある品を買いそろえて玄関に戻ると、
妻が珍しく「上がって」の意思表示でスリッパをそろえてくれる。
まあこんなことは今までないことで、簡単な届け物や買い物、ごみ出しは玄関ドアの内側で立ったまま意思疎通になる。
(妻は甲状腺がんでしゃべることができない)
少し込み入った話のときは奥の部屋にいる息子に登場願うか、妻のメモ用紙片手の簡単な会話だけである。
それがさっとスリッパが出た。
引っ越し以来まだ片づけの出来ていない台所(キッチン)に小さな椅子が2つ並べてあった。
妻は椅子の一つを手で示しながら自身の肩に手をやり揉む仕草をする。
肩が凝ってしかたがないらしくちょうど良い機会なのでわたしに揉んでほしいらしい。
こういう申し出は喜んでOKである。
首筋から背骨に沿って揉み下ろしていく。
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買い物のアイスクリームを冷蔵庫に入れるため息子が台所にやってくる。
わたしは揉みながら「日光浴してるか?」と声を掛ける。
「ほうれん草も食べてるか?」と問うていく。
そして話が長引くようにおもむろに"妖怪ウオッチ"へと話を飛ばす。
今度の新しい妖怪のゲット場所はイトーヨーカドーらしい。関西にはないスーパーなので物足りないようである。
妖怪を憑依(ひょうい)させて戦って取り込むらしい。(ここのところがよくわからない)
妻の肩を揉みながらすぐ前に立つ息子と40分ほどいろいろと話し込む。
妖怪ウオッチワールドのこと、360℃回転のカメラのこと、ドラちゃん人形の限定品が届いたこと、
息子がしゃべりやすいように相槌(あいづち)を繰り返す。
考えたら話の出来ない母親との2人暮らしである。いままで7年間だれに向かってしゃべりかけていたのだろう。(息子はドラちゃんの大ファン)
頭越しに交わされる会話を妻は、肩を揉まれながら黙って聞いている。
おっ、これは第三者が眺めれば家族団らんの心温まる風景ではないか?
引越しの第2のメリットがこんな形で出現した。
「また明日揉みに来る」と妻の肩をたたいて肩もみ終了となる。
息子にいつものように簡単にほうれん草とカルシウムのレクチャーをして
(自ずと妻にも聞こえている)Dビルを後にする。
これだけは自立のための基本と↓
おおむね下の記事の内容たけは息子に伝えることにしている。
自我を切り捨て2人に徹底的に奉仕する。こんなの当たり前かぁ。