終活 ひきこもりの息子を自立させるまでは死ねない

デジカメの編集画面にいつも笑顔の息子が現れる。「がんばれよ!」と小さく声に出してみる。

心臓バイパス手術後 病棟廊下を歩き回る

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心臓バイパス手術の突然の入院で術後に心がけたことは歩くことであった。

たった10時間の手術なのに全く歩けなくなっていた。

集中治療室から出て一般病棟に移ると主治医から「歩くように」と指示された。

最初の10メートルはよろけたときの支えになる介護者の付き添いが必要だった。

県立医大C病棟の各階配置は「田」型になっていて、外周が廊下で1周すると約100メートルあった。

当時テレビの宣伝で「ぐるぐるぐるぐるグルコサミン」という薬の歌が流れていた。

これをもじって「ぐるぐるぐるぐるグルコサミン県立医大のグルコサミン」とつぶやきながら廊下を歩く。

朝と夕食前と寝る前に段々と回る回数が増えていく。

1周が100メートルと目測し最初は10周1000メートルを目標にした。

次第に朝晩寝る前で30周3キロを歩くようになっていた。

回る数を勘定しやすいように新聞紙で長さ50センチほどのひも状の物を作り1周ごとに結び目を付けていく。

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心臓外科の病棟は6階にあった。

足に少し自信が出来たとき、階段を利用した。

遠い別棟の待合室に本棚があり単行本や文庫本が置いてある。

そこまで歩いて借りてくることも出来るようになった。

もちろん帰りはエレベーターを使わずに階段を上がってくる。

十数人患者が居たはずであるが歩くのはいつもわたしだけだった。

アパートに帰れば一人である。

2階に部屋があるので最低でもそこから近所のスーパーまで歩いて買い物に行けるよう脚力を戻しておきたかった。

手術から1ヵ月後の退院前には1日45周、約4500メートルを歩けるようになっていた。

病院の広い敷地も歩き回る。

南玄関わきにハルジオンが咲いているのを見つけ、1茎摘んで深夜勤務の若い看護師さんに捧げたのが思い出である。

 

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