カルシウム不足は精神をイライラさせる
木曜日が燃えるごみの日なので水曜日の午後10時に頼まれた買い物を持って顔を出す。
何やら妻の雰囲気がおかしい。
いつもそんなに笑顔はないがいらいらしているようだった。
息子が流しの近くに居るのに玄関まで出てこない。
鉄扉の所で2、3分間妻とごみの受け渡しをする。
終わって息子の方に玄関から顔を突き出すとこちらもイライラが表情に現れている。
聞くと、お腹が空いたのに妻が直ぐにご飯を用意してくれないと堰(せき)を切ってしゃべりだす。
本意は自分の作品作りをしたいのにお腹が空くと集中できない。
それをわかっていないからごみ出しなどに時間を割いてほったらかしにする。
それならお腹が空いたとき、自分で作るように言ってみて
妻の方に状況を尋ねると、妻は妻でyaからいろいろと言われるので一番大事な吸入吸引が出来ないでいる。
しんどいのにわかってくれない、と妻のいい分である。
再び息子に問うと、そんなにいつも頼んでいないと返事がある。
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こういう状況で妻と息子はいつもいがみ合ってきた。
前の住まいの暗い部屋でこんな時間が多かったが、明るいDビルに移ってからは和やかに過ごしていると思っていたが、ぶり返していた。
これは息子のカルシウム不足である。
(服用していた春から夏にかけて本当に穏やかな表情を見せていた。)
聞くと最近は錠剤が古くなったので舐めていないという。
作品制作に命を懸けるなら体を整えなければならない。
それは他人任せではなく自分の力で調整する必要がある。
1、ほうれん草を食べて便通を整えること。
2、カルシウム錠を摂取して精神を安定させる。
3、太陽に当たること。
この3つは計画を立てて1日の中に取り入れ自分の力でやり遂げること、と提案する。
お腹が空いている現実を解消するため、息子に「何か食べに行こう」と誘うが首を縦に振らないので、わたしがセブンイレブンにおでんを買いに出る。
妻はのどに管が刺さっているのでしゃべれない。
ここらに意思の疎通を欠く原因があるのだろう。
でも以前と違ってカルシウムのおかげて息子の精神は穏やかになっている。
「お母さんの吸入吸引がいちばん大事」と告げてわたしはDビルを後にする。
わかってくれるだろう。
(夜中に「息苦しいから来て」と呼び出しがないことを願うばかりである。)