終活 ひきこもりの息子を自立させるまでは死ねない

デジカメの編集画面にいつも笑顔の息子が現れる。「がんばれよ!」と小さく声に出してみる。

アルコール依存症・閉鎖病棟からの手紙ー48ー

「気力を培う」 ”酒害”の恐ろしさを再認識

pm2:00、いよいよ5月です。昨日も今日も快晴の風薫る初夏の訪れです。

病院の前庭ではツツジが盛りで、燃えるような花の勢いが見る者を楽しませてくれます。

とは言いながら、空は晴れても心は闇、最悪の状態です。

いつもの周期でうつの心理に陥っています。胃腸の調子もおかしく、のどの奥もなにかもぞもぞしており気色悪くてしかたがありません。

きっと緊張感かなにかで胃が動くと食道が引っ張られ、ノドに何か異物があるようなつっかえ感を生じさせるのでしょう。

これはほうっておくしかないのです。  

せきもなかなかしつこいです。断酒会出席中に止まらなくなることがあり往生します。

症状のことをこれだけ気にするのは、やはり軽いノイローゼの1種類なのでしょう。分かっていても次から次へと不快感が脳裏を駆け巡ります。

我慢して書き始めた久しぶりの手紙も、しんどくて途中でほうり投げてしまいたい心境です。

口のなかのぼつぼつも下唇の内側の傷も気になります。やはり心配症の再発です。いつまでも困ったもんや。

なにもかもめんどうくさくって、いつまでもずっと寝ていたい気分です。

それをすると以前の繰り返しになるので、用事を作っては動き回っています。

無理をしてはいけないという怠け心が、断酒会だけには出席しようと考える意地に押しのけられて、よい方向へ作用しています。

このごろのおいちゃんは、しんどいけれども動くことで助かっているのです。  

考えれば考えるほど、やりたいことはいっぱいあります。やらねばならないこともたくさんあります。貧弱な頭が混乱しそうです。

こんな時は、いつもそれを箇条書きにしてみて順序をつけてみます。そうすると自分のほんとうの心が整理できてくるのです。  

本日のNO3は、

1、断酒会出席

2、退院の日の決定

3、のどの診察です。

第三者が見ると笑えるようなことでも、鉄格子のはまった部屋に閉じ込められている依存症患者には切実な問題です。

困難なこと苦しい時にへこたれない”気力”を断酒会に参加することで培っている最中です。

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こんなおいちゃんでも、話がうまいと褒めてもらえるようになりました。

仕事でずっと営業マンをやっていたから話が上手なのかと問われます。

でも内心ではまだドキドキがあるのです。自分では30点、40点しかつけられないときのほうが多く納得いく日は少ないのです。話の中で余裕が出てくるようになれば本物と判断します。

でもそれは休みなく断酒会に通い語り続ければ自然と身についていくはずです。じっくり1、2年くらいかけて勉強していくしかありません。

焦りは禁物とか。

4月のおいちゃんは少し急ぎ過ぎていたかもしれません。当分は断酒することだけに力を注ぐように気をつけます。

仕事も家族孝行も1年くらい後でいいと聞きます。

最初の年がいちばん苦しいので酒を断つことのみを考えていればよしと、常に院長はおっしやっておられます。

まあ、ぼちぼちとやっていくしかないようです。  

貝塚のARが今日退院していきました。彼も同期の桜の1人です。

これでとうとう2月3日入院はおいちゃんだけになってしまいました。

おいちゃんもいつここを出ようかと考えています。週に3泊も出来る気ままな病院暮らしです。最初の計画どおり6月の中ごろまで置いてもらおうかどうしょうか迷っています。

断酒会50回出席を一つの目安として身の処し方はそれからにしましょうか。  

pm4:00、食欲はありません。のどの腫瘍(しゅよう)?が気にかかります。なんとかなりませんか?

これ。なんともならないのでしょうね。どうしょうもないことは、どうしょうもないとあきらめること、どうしてもまだ出来ません。つらいことです。

--人間らしい能力とは「自分の生き方について考え予知しょうとする努力」。

個人的精神療法と集団的精神療法としての酒害体験者の集団による精神浄化訓練のための話し合いを繰り返すことによって、

よりよい人間関係と精神的抵抗力を体得強化していく過程が、断酒継続につながって実行できていく--  

何かわけのわからないことを書き連ねていますが、どうもペンが進みません。

晴れる日が来るのを楽しみにがんばってみます。

(この記事はブログの原点になるアルコール依存症からの回復日記である。
昭和61年(1986年)、アルコールの専門病院に入院したわたしが妻に向けて毎日書き綴った手紙で、病院の玄関にある郵便ポストに切手を貼って退院の日まで投函し続けた。)

 

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