終活 ひきこもりの息子を自立させるまでは死ねない

デジカメの編集画面にいつも笑顔の息子が現れる。「がんばれよ!」と小さく声に出してみる。

洗濯事情

洗濯物を届けた次の日、「洗剤替えたん?」と妻からメールが来た。

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袋を開いてTシャツを取り出して気づいたのだろう。いつもは血の跡が残っている襟辺りがきれいになっている。はてな?と思ったのであろう。

夏前に新しい部屋に引っ越して洗濯機を持ってこなかった。新しい最新機種を購入するつもりが、なかなか電器店へ見に行く機会が訪れなかった。暑い夏があっという間に過ぎ、今度は陽が陰ると冬の冷たさが出現する季節になってしまった。

洗濯機の無い間、汚れた衣類はわたしが洗う役目をおおせつかっている。買い物を届けたときに玄関の下駄箱上に置いてあるビニール袋(洗濯物入り)を1つ2つ預かって帰る。

(根本的に息子の衣類は全て使い捨てである。洗濯機で引っ掻き回された衣類は洗剤を入れてきれいに洗ってもどうにも身にまとえないらしい。洗濯物は妻のだけ)

部屋に戻ると急いで何よりも先に洗濯機を回す。

夏の便利業の忙しいときは、ネットに入れてそのまま洗濯槽に放り込むことが多かった。秋になりちょっと仕事にめどがつき暇になってから血の付いたTシャツをあらかじめ台所の流しで手もみ洗いすることにした。

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妻ののどには息をする管が刺さっている。パイプ(カニューレ)が外に15センチ跳び出している。寝るときに寝返りは打てないが動くと首の管が前後に擦れる。一晩でかなりの出血量の日もたまにある。

Tシャツや肌着の襟元に血液が付着する。

わたしも気になっていたので1工程(手もみ洗い)を増やしたのである。

手もみ洗いをする前に台所の流しをきれいにしなければならない。食器類などは洗って片づける。専用のポリ容器を取り出して血の付着部分を揉んでいく。石鹸をつけてさらに揉んでいく。

もみ洗いしながら「がんばれよ」と妻にもつぶやいてみる。

そのワン工程増やしたことで仕上がりはまあまあきれいになった。

「洗剤替えたん?」のメールはその作業が認められたことになる。

わたしは「うん」とだけ返信をする。これから冬場に向かって、わが家には湯沸かし器が設置していない。どんなに冷たくても「がんばれよ」の気持ちを抱いて、新しい洗濯機の導入があるまで手もみ洗いは続くのである。

 

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