終活 ひきこもりの息子を自立させるまでは死ねない

デジカメの編集画面にいつも笑顔の息子が現れる。「がんばれよ!」と小さく声に出してみる。

あんま器の処分と費用を聞かれる

わたしはときどき高齢者の送迎(ふろに入りカラオケに興じる)で橿原市福祉センター"やわらぎの郷" 駐車場に出入りしている。

迎えに行く時間が少し早く正面玄関わきの"乗降場"で待っているとき、年配の男性から声を掛けられた。

按摩(あんま)器の処分に困ってると言う。購入してそんなにたっていない新品だが、今ではもう誰も使わない。もらってくれる人を探したけれどだれも見つからなかった。

いろいろと言っておられるが要は邪魔になってしかたがないらしい。

最初は運転席で話を聞いていたが、近い将来のお客様かもしれない。失礼にならないようすぐに降りて面と向かって話をする。

「処分にいくらかかる」と肝心な話になったのでわたしは「うちでは8000円になります」とギリギリの値段を提示する。

実際、便利屋で引き取って来てもそのまま処分できないので借りているガレージの前で壊すしかない。ビニール部分をはぎ、中に木材が使われていればそれを切断する。

いちばん厄介なのは可動部に当たる金属部分である。バネガ跳ねる可能性もあり細心の注意が求められる。

午後5時前である。60歳過ぎと思われる小柄な男性がラフな格好でお風呂に入りに来るのは、すでにメインの仕事から離れている方かもしれない。

「時間があるなら、ご自分で壊されたらいかがですか?」

男性は一瞬で目を輝かせる。こちらの話に身を乗り出してくる。

「大型カッターナイフで皮を切り裂いて中身の木材部分はのこぎりで切断します。本体の金属部分は市の粗大ごみの日に出せばいいです。まあその辺に放り出しておけば金属を集めている人が直ぐに持って行きますよ。」

「良いことを聞いた、また手に負えないときは連絡させてもらう」と男性は足早に施設の玄関を入って行った。

↓ ここに紹介するのに"あんま器"の記事がなかった。要領だけ分かるよう、以前に壊した"リクライニング座椅子"の解体"を載せてみる。

日向ぼっこを兼ねてカッターの刃を入れていく。

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 お客先から引き取ってきて(粗大ごみ片づけ)、1ヵ月保管し、もらってもらえる方を探す。

背が2段階に倒れて便利なのだが、大きすぎるということでマッチングしなかった。

形ある座椅子には可哀そうだが仕方がない。

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 原理的には黒の合成皮革部分を強力なノリでパイプに張り付けてある。

ていねいに切り込み、剥(は)がしていく。

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 リクライニング部分は金棒で支えているだけである。

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 手間を省くために、この金棒を番線切り(大型ペンチ)で2箇所裁断する。

 背もたれと座椅子部分を取り外し、ようやく完了する。

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 ここまで30分かかった。

全体の感想として、カッターナイフを使うので刃先の動きには細心の注意を払うこと。

手袋は必須、できたら手の平側がゴムになっている奴が滑らなくて良い。

番線切りはあると便利だが、なくても小さな輪っかをペンチで緩めれば作業は可能である。

あわてないで刃を入れて行けば原理はすぐに分かってくる。

ゆっくり落ち着いて剥がしていく。