終活 ひきこもりの息子を自立させるまでは死ねない

デジカメの編集画面にいつも笑顔の息子が現れる。「がんばれよ!」と小さく声に出してみる。

妻の耳鼻咽喉科 定期受診日

朝から太陽が顔をのぞかせ景色が明るくなってきた。

今日は午後から妻の医大行きが控えている。

DYマンションへ車で迎えに行き、N県立医大病院耳鼻咽喉科に向かう。

(これを書いているのは昼前である。ブログへは毎日pm:8時投稿と決めているので念のために午前中からの予約投稿となる。)

妻の病名は甲状腺がんである。首の周りぐるっとにこぶのような3センチの腫瘍が取り巻いている。その固まりが息をする気道を圧迫するのでのどに穴を開け肺の入口まで直径約1センチ、プラスチック製のパイプを差し込んである。ここから息をする。

首から外は10センチほどパイプが突き出し先に着脱可能な人口鼻が取り付けてある。

普段、家での作業は妻が自身で人工鼻を外し、吸引器に接続したカテーテル(細い管)をパイプに差し入れ内側に付着した血の塊や痰(たん)などを吸入吸引する。

パイプはプラスチック製なので定期的に取り換えなければならない。

今日がその日に当たる。

今日のいちばんの心配は主治医が交代したことである。

手術病棟時代から外来に通い始めてずっと"パイプ交換"をしていただいていたK意思が先月末で転院された。

パイプ交換上手な経験豊富な若手医師で安心しきっていたが急に更なる飛躍を求めて退職されていった。

新しい担当もかなりベテランだから心配しないでだいじょうぶとK医師に笑われたが、わたしも心配であるし、それ以上に本人である妻が何も言わないが心を悩ませているであろう。

パイプの交換はのどにある物を引き抜いて、間髪入れずに新しいパイプを挿入する。引き抜いた時点で息は出来ないし、差し込むときにのどの粘膜を押し広げていくからパイプの先が肉を削って大出血?とならないとも限らない。

現在妻が生き永らえるために通過しなければならない一番の難事なのである。

2人で出掛けている間は息子が一人で留守番になる。

息子は両親の途中の事故や留守番時の自身の突然の動悸、パニックにならないかを心配して

「しんどくなったらすぐに帰って来てや」と言い不安気な顔にちょっと笑顔を浮かべて玄関に立ち尽くす。

新しいマンションに移って来てから3回ほど医大へ出かけたが、このDYマンションの明るい雰囲気に慣れたのか、出掛けるときのすがり付くような雰囲気は消えかけている。

午後1時半まで少し横になって出発の時間を待つことにする。

(戻ってから書き込むことが出来たならばこの下に、"上手くいった、上手くいかなかった"を追記したいと思う)