便利屋 基本料金 1時間 3000円

昔、開業して10年くらいたったころ、仲間が1人できた。

50歳で早期退職した方が田舎の自宅で便利屋を始めペンキ塗りの助っ人に呼ばれたのが初めだった。

この仲間は便利屋稼業3年ほどで"わりに合わない"とペットの葬儀屋に転職する。

繁華な街から山を越えた辺鄙(ぴ)な場所で周りはほとんどが農業を営んでいる。

各人日常の雑事は何でもするし、あったとしても1、2時間の仕事で、その1時間の作業をするために前日から材料と必要な道具を用意する。例えば樋修理にしても下見をして材料を揃え場合によっては長い梯子が要るかもしれな。

それで段取り良く30分で修理が完了したら1時間の料金になる。前日の下準備時間はちろん作業時間にカウントできず代金請求もかなわない。

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便利屋をやめると聞いたとき、"なぜか"と詳しく聞いた。そうしたら上記のことで3000円など「わりに合わない」とのたもうたのである。

わたしはそのころオークションで書籍を販売していた。3000円の本などめったに売れない。3000円本に落札のマークが付いたら跳び上がって大感激したものである。

お金は50円100円たりとも地面に落ちてはいない。1時間働いて3000円いただけるのである。こんなありがたいことはないのであるが・・・。見解の相違だろう。

今日わんちゃんの動物病院受診をお手伝いさせてもらった。

軽ワゴン車の後ろの座席を立て愛犬を抱っこしたお客様に座っていただく。

昨日の晩にわんちゃんが吐いたとか?飼い主さんは心配になって緊急受診で便利屋に声が掛かった。

後ろの座席を立てる。フラットにしていたるきに積み込んである道具類をガレージに一時保管する。座席に掃除機をかける。きれいな雑巾で水拭きをする。

朝は10分早めにお5キロ先のお客様宅までワゴン車をとばす。

動物病院開院いちばんに到着したので診察は30分ほどだった。お客様宅に戻ったのは45分後である。

これで当便利屋の場合は3000円いただける。よく"基本料金3000円～"と表示している同業がいるがわたしは"～"が嫌いなのでどんな仕事でも一律3000円なのである。

お土産にリンゴを3個いただいた。長野から到着したて無農薬のりんごらしい。

「ありがとうございます。」

帰り道に"E"マークまで減っていたガソリンを3000円分入れることが出来た。

代金としていただいた3000円は右から左であるが、この3つのリンゴがすばらしい。

業者とお客様の枠を超えて交流が続いていく。